歯は活性のない臓器です。治療は完全に削る前の状態に戻すことは出来ず、だた、形を治しただけ、決して「治った」ということではありません。

私たちは毎日食事を摂ります。寒い日はお鍋が美味しいし、暑い日はアイスクリームが食べたくなります。そんな温度の変化、咬むという刺激を歯は毎日受けています。建造物もかならずつなぎ目から隙間が空いてきます。歯の修復物も同様です。そのつなぎ目から崩壊していきます。小さなお子様の時からむし歯になってしまったら、将来的な再治療のリスクから逃れることは難しくなります。
修復物の界面からのう蝕により再治療になるリスクが高まります。以下のことに気を付けることでその寿命を延ばすことは可能です。
1.口腔内をきれいに保つこと
2.デンタルプラークの停滞しにくい、付着しにくい材質の物を選択すること
3,定期的なメンテナンスで、かみ合わせの状態も確認すること
CAMBRAとは?
CAMBRAとは何でしょうか?
**CAMBRA(キャンブラ)**は、むし歯のリスクを評価し、それに基づいて予防や管理を行う方法です。
正式名称は Caries Management by Risk Assessment(リスク評価によるむし歯管理)で、アメリカの歯科大学の多くで採用されている信頼性の高い予防歯科の考え方です。
CAMBRAの特徴
- むし歯のリスクを評価: 唾液の量やむし歯菌の活動性、食習慣などを調べて、むし歯になりやすいかどうかをローリスク、ミドルリスク、ハイリスク、エクストリームハイリスクの4段階に判定します。
- 個別に予防策を提案: それぞれのリスクに応じて、口腔環境に合わせた予防方法を提案します。
- むし歯の再発を防ぐ: ただ治療するのではなく、むし歯になりにくい環境を作ることを目指します。
どんな人におすすめ?
- むし歯になりやすいと感じている人
- 何度もむし歯を治療しているが、再発してしまう人
- 自分に合った口腔ケアを知りたい人

あごの関節(顎関節)周辺に何らかの異常がある「あごが痛い」「あごが鳴る」「口が開けづらい」などが主な症状である慢性的な疾患で、原因はいくつかあ り、状態も異なりますがまとめて顎関節症と呼びます。 その病態には咀嚼筋障害、関節包・靱帯障害、関節円板障害、変形性関節症などが含まれています。 付随 症状として頭が痛い、首や肩が痛い、耳や目の痛みを訴える方もいらっしゃいます。 欧米では顎顔面疼痛症候群の中に入り、専門のドクターが診ることが多い疾患ですが、日本では系統だった診療が確立されていない疾患ともいえます。しかしながら、年々患者数は増加しており、特に女性に多いともいわれておりますが、その理由は解明されておりません。 症状は一過性で済む場合がほとんどで、慢性的にセルフケアを行いながら、長く付き合っていくケースがほとんどです。 噛み合わせの関与は統計学的にははっきりとしていませんが、明らかに噛みあわせが原因と考えられる患者さんも多く見受けられます。 さて、治療法ですが、消炎剤などの薬物療法、理学療法、などど共に、スプリント療法が一般的で、保険適応で治療が可能です。 外科的療法も含まれますが、今日では最終的な選択となると考えられることが、NHIのコンセンサスでも明記されています。ただ、噛みあわせが問題で小さな修正では対処できなくなった場合、矯正治療や特殊な咬合治療が問題を解決することがありますが、いずれも保険診療を逸脱するものとなります。しかしながらこのようなケースは多くはないと考えます。 顎関節症で注意すべきは「突然口が開かなくなった場合」です。 出来るだけ早い時期に処置をおこなうことで、早期の改善が期待できます。 様子を見て何ヶ月も経過すると症状が複雑になることもありますのでご注意ください。
専門的には、PMTC(Professonal Mechanical Tooth Cleaning)と言われますが、歯科医師や歯科衛生士といった専門家による機械を用いた徹底的な清掃のことです。ただ、単に歯ブラシの代わりに機械を使って清掃するというものではなく、歯ブラシ等では落とすことが不可能なバイオフィルム(歯にこびりついた細菌の膜)をやわらかいゴムのチップなどを使用して剥がしとることを指します。
お口のクリーニングにはどのような効果があるのでしょうか?
「ホームケアのみ(自分で歯磨きする)」と「ホームケア+クリーニング(PMTC)」両者の違いを6年間で調べてみた研究があります。(Axelsson.Linde et al 1981)。 6年間で虫歯治療をした歯面の数は70分の1に減少しました。また、歯茎の下がり具合はホームケアのみの群では-1.3mmであったのに対し、ホームケア+PMTC群ではわずか0.1mmですが回復の傾向がみられました。 虫歯および歯周病の予防に非常に効果が高いと考えられます。
子供にむし歯が出来てしまいました。これは普通ですか?
3歳児むし歯有病率の低い県、高い県 単位(%)
出典: 厚生労働省「令和2年度 地域保健・健康推進事業報告(地域保健編)」
この表に示すように青森県は3歳児の
5人に一人にむし歯に罹患してしまっているのが現実です。それ以前に生まれた子供たちはもっと多い割合でむし歯に罹患してしまっています。むし歯に罹患してしまうことは決して普通ではありません。ただ、一度むし歯になりやすい状況になってしまうとそこから離脱するんにはかなりの努力が必要です。むし歯は生活習慣病の側面を持ちます。生活に根差した予防管理が必要です。
糖尿病患者にとって歯周病は、腎臓の機能障害、視力低下、神経症、大血管障害、小血管障害の慢性合併症に次ぐ、第6番目の合併症とも言われるようになりました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いといわれています。 最近、歯周病は口の中の問題だけではなく、さまざまな全身性の病気とも深くかかわっていることが明らかになってきました。 歯周病菌がつくる毒素や炎症を引き起こす物質は、歯周病の病巣から血液中に入り、全身に影響を及ぼす可能性があります。実際これまでにも、口の中の慢性的な炎症や歯周病菌と、糖尿病や心筋梗塞、肺炎、低体重児出産などとの関連性が報告されています。 歯周病が進行した状態では歯周病の病巣から炎症を引き起こす物質(サイトカイン)が産生されます。このサイトカインが口の中の細い血管を伝って血中に入ると、ますますインスリン抵抗性が増すこととなり、糖尿病の症状が進行します。逆に、歯周病を治療して口の中の状態が良くなると、インスリンの作用を阻害する物質が少なくなるので、糖尿病の症状が良くなります。内科医と連携した歯周治療が重要と言えます。 当院では内科医と連携した歯周治療を行っております。是非ご相談ください。